ささもと こどもクリニック News Letter vol.14 no.9 (2015.9.15)
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【インフルエンザワクチン2015の変更点】
今年の変更点を一言でいうと、昨年までが3価であったのに対して、4価になったことです。
インフルエンザウィルスは大きく分けるとA型とB型があることはご存知と思います。A型のうち流行するのはH1N1とH3N2というタイプで、昨シーズンと同様今シーズンもA型についてはその２種類です。詳しく言うと、H1N1では2009年の新型インフルエンザのワクチン株で昨年と変更なし、しかしH3N2は流行するタイプが変わることが予想されA/ｽｲｽ/9715293/2013というワクチン株に変更されています。ちなみに高病原性トリインフルエンザはA型のH5N1ですので、もともとワクチンには含まれていません。
さて、B型については1種類だったのでA型とあわせて３種類の抗原が入っていて3価のワクチンでしたが、今シーズンはB型が2種類に増えて、4価ワクチンになりました。B型ウィルスは山形系統とビクトリア系統に大別されます。今までのワクチンはB型のどちらか1種類しか入れられなかったので、ワクチンに入らなかった系統が流行すると効果が期待できませんでした。それが今シーズンから両方とも入れてよいことになったのです。B型も2種類入るので、予防効果が上がることが期待されます。
4価ワクチンになっても用法や用量には変化はなく、3価と同様の接種量、接種回数、接種間隔です。ただ値段が少し高くなってしまいました。なおこれとは別に鼻にいれるインフルエンザ生ワクチン（フルミスト）を行う医療機関もありますが、まだわが国では認可されていませんので、当院では行えません。
【アレルギーひとくちメモ】
コリン性蕁麻疹。コリン性蕁麻疹は特殊な形の蕁麻疹で、運動や入浴、熱いものを食べる、精神的ストレスなど、汗をかくときに出る蕁麻疹です。普通の蕁麻疹よりずーっと小さく2mm程度で数多く現れ、かゆみやピリピリした痛みを感じます。通常数時間以内に消えますが、夏場など汗をかく時期は日常生活に影響がでてしまうこともあります。
原因にはいくつかの説があります。汗のアレルギー：とくに汗の中にあるマラセチアという皮膚に常在している真菌に対するアレルギー、他の説として、汗がでにくくなるという体質の方が汗をかくと汗腺の周りにアセチルコリンという物質が過剰に分泌され、そのために発症するというものもあります。
治療は一般的な蕁麻疹と同じで、抗ヒスタミン薬が使われることが多いのですが、なかなか効かないこともあるようです。別の治療法として、適度な入浴とか軽い運動をして汗を出す訓練をして、あえて汗に触れることによって、体を汗に慣れさせる、という試みもされているようです。
