ささもと こどもクリニック News Letter vol.15 no.2 (2016.2.15)
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【女の子のおりものについて】
おりものがある、パンツが黄色や薄緑色に汚れている、という訴えで受診されることがあります。その原因の大部分は外陰膣炎で、外陰部や膣の中に細菌が感染し、炎症が起き、膿やおりものがみられるようになります。おりものの他に外陰部のかゆみや発赤、排尿時の痛みがみられることもあります。
感染する細菌は、皮膚や腸の中に通常いるブドウ球菌や大腸菌で、成人女性のようなカンジダや淋菌などが原因になることはまずありません。通常の細菌が子どもでは膣に感染してしまうのには理由があります。成人では膣内を酸性に保って感染を防いでいる常在菌がいるのですが、それがいないため膣内の抵抗力が弱いのです。ですから、排便後にうしろから前にふいたり、汚れた手で触ったりするなど不衛生にしておくと、外陰膣炎になってしまいます。治療はお湯でよく洗うこと（石鹸の使いすぎはよくありません）、そして抗生剤の内服をする、外用剤を塗る、ということで軽快することが多いようです。
【アレルギーひとくちメモ】甘味料によるアレルギー。近年、甘味料によるアレルギー症状がみられる方の報告が多くなってきました。2012年に即時型食物アレルギー全国モニタリング調査（国立相模原病院海老澤先生）に協力している医師約880人からの回答によると、甘味料によるアレルギー症状の疑いがある患者さんは21名で、その内訳は、エリスリトールが16名、キシリトールが10名、ステビア、ソルビトールが2名で、その多くの症状は皮膚症状ですが、呼吸困難になった人もいたようです。
最も多かったエリスリトールは、糖アルコールの一つで、糖質に水素を添加し、化学的に安定させたものです。天然の食品（メロン、梨など）にも存在しますが、一般的には工業的に酵素反応により生産されます。味がよく、多く食べても下痢が少ないためにダイエット食品・飲料、また歯磨き粉にも使用されています。
エリスリトールによるアレルギーについてはアレルギー学会でも症例の報告がありました。21歳の女性が市販のダイエット薬で蕁麻疹、エリスリトールを含んだ清涼飲料水、飴、ガム、などでも同じような症状が出現、エリスリトール含有ダイエット甘味料のプリックテストが陽性。５歳の子でエリスリトール含有の低カロリーゼリー食品でアナフィラキシーとなり、皮内テストが陽性であった例、などです。当院でもキャンディをなめて蕁麻疹がでた方で、成分表示を確認したところエリスリトールが入っていたこともありました。
キシリトールやステビアは添加物に分類されるので表示されていますが、エリスリトールは食品に分類されているので必ずしも表示されているとは限りません。ですから今までに何回か蕁麻疹など食物アレルギーを思わせる症状が出た方は、原材料名で成分を確認してください。
