ささもと こどもクリニック News Letter vol.15 no.7 (2016.7.20)
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【先天性股関節脱臼】
股関節脱臼は脚の付け根の関節がはずれる病気です。1000人のうち1-3人の赤ちゃんにみられると言われています。3-4ヶ月健診で、開排制限の有無（股関節が90度開くかどうか）、また太腿や鼠径部に見られる異常な皺の有無で、その疑いがあるかどうかを判断します。女児や骨盤位（逆子）の赤ちゃん、血縁者で同じような疾患がある場合は要注意で、疑いがあれば整形外科の先生の詳しい診察やレントゲンを受けます。
早いうちに診断がつけば、装具により治療することが出来ますが、健診で見逃されて、歩くようになって、歩き方がおかしい、ということで見つかった場合は、治療に難渋すると言われています。
さて、この病気は“先天性”という言葉がついてはいますが、決して“生まれつきのもの”というわけではなく、生まれた後の育児のしかたにより股関節脱臼になってしまうこともあります。赤ちゃんの脚はＭ字開脚になってよく動かしているのがよく、立て膝になって脚が内側に倒れた姿勢が続くと脱臼を誘発することがある、と言われています。向き癖がある赤ちゃんでは、その反対側の膝が立て膝・内倒れになっているので、向き癖を直すことも必要です。両脚がＭ字型に開かず、伸ばされたような姿勢も不適切です。昔はまきオムツが脱臼の原因だったことが多いようでしたが、今でも、冬に脚を伸ばした状態のまま衣服でくるむこと、また横抱きのスリングなどは開脚の姿勢がとれず、また両脚が伸ばされる危険もあり、注意が必要です。
【アレルギーひとくちメモ】
ヤマイモアレルギー。ヤマイモは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属します。ナガイモと混同されていますが別の種類です。また、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモなどとも分類は異なります。ヤマイモは饅頭、かるかん等和菓子の材料、お好み焼きにも使用されています。でもヤマイモのでんぷんは、ジャガイモなどとは異なり、生で食べることができるので、すりおろして“とろろ”として食べられることが多いと思います。
ヤマイモのアレルギーの症状は、他の食物アレルギーと大きな違いはなく、蕁麻疹や嘔吐、中には呼吸困難になることもあるようです。ただヤマイモの結晶は鋭利で直接皮膚の刺激になることや、アセチルコリンという仮性アレルゲンが含まれているので、食べたヤマイモがついて口の痒みを訴える例や、ヤマイモに触れ皮膚の痒みを訴える例は比較的多く見られます。しかしこれらの症例すべてがヤマイモの食物アレルギーという訳ではないので、血液検査などでより正確な診断をする必要はあるようです。
診断がついた場合、除去していただくことになりますが、食品を買う場合にはヤマイモが含まれているかどうか表示を確認することが必要です。しかし店頭販売では表示されないことも多く、販売員も知らないこともあるため、和菓子など、ヤマイモが使用されている可能性がある食品は食べないほうがよいでしょう。（参考資料：海老澤元宏編 症例を通して学ぶ年代別食物アレルギーのすべて 南山堂）
