ささもと こどもクリニック News Letter vol.24 no.9 (2024.9.15)
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【HPVワクチンの男性への接種】
ヒトパピローマウィルス(HPV)は、主に性行為によって感染します。ですから男女を問わず多くの人がHPVに感染します。HPVは女性に対しては子宮頸がんの原因になるので、現在公費でHPVワクチンが行われています。
では、男性の場合はどんな病気になるかというと、①肛門がん、②尖圭コンジローマ：性器や肛門周辺にニワトリのトサカ状（カリフラワー状）、もしくは乳頭状（お椀を伏せた形）のイボができます。多くの場合切除が必要です、③中咽頭がん：鼻や口の奥に当たる部分のガン（男性に圧倒的に多い）などです。そもそも男性がワクチンをしておけば、パートナーにHPVを感染させるリスクを減らすことができますね。
調布市では、小６から高1相当の年齢にあたる男子を対象に、HPVワクチンの費用助成を、10/1から始めます。来年の3/31までです（定期接種ではなく、インフルエンザワクチンのように任意接種ですが、費用の一部を助成します）。当院では、自己負担はゼロを予定しています。４価ワクチン（ガーダシル）を3回（接種間隔ですが、2回目は最短で1回目の1か月後、3回目は最短で2回目の3か月後）接種します。3回目を3/31までに終わるためには1回目を11月半ばまでに受けるのがいいでしょう。詳しくは調布市のHPをご覧ください。なお、来年の4月以降にこの事業が継続されるかどうかは未定です。
【経鼻インフルエンザワクチン】
経鼻インフルエンザワクチン（フルミストR）が今月発売されました。注射ではなく、両方の鼻孔に0.1mlずつワクチンの液を入れるだけです。その時に受ける方は鼻をすする必要もありません。注射がとても苦手という方には朗報でしょう。
ただしワクチンを受けられるのは2歳以上19歳未満の方で、大人の方は受けられません。注射のような2回接種ではなく、弱毒生ワクチンのためだと思いますが、1回のみで終了です。効果は注射の場合とほぼ同様です。また特に注射と比べて目立った副反応はなさそうです。点鼻投与ですが、鼻出血が増えるといったこともありません。この経鼻ワクチンは、過去には個人輸入・自己責任で使われていたこともありましたが、その際にも副反応のことは話題にはならなかったと思います。
インフルエンザウィルスは鼻粘膜に感染しますので、鼻の部分にこのワクチンで免疫を作ることは、理にかなっているような気がいたします。ただ、値段が高めであること、何人分くらい入荷できるかがはっきりしていないことをご了承ください。希望される方はご連絡いただければ、と思います。
